ミドルシニアが副業で成功するには…キャリアコンサルタントにQ&Aで聞いた
大桃綾子さん(キャリアコンサルタント)
副業解禁元年といわれた2018年。サラリーマンのセカンドキャリア形成に役立つと期待されたが、内閣府が21年秋に実施した調査によると、実際に副業をしているのは全体のわずか13.3%。民間の調査でも1割弱にとどまる。キャリアコンサルタントの大桃綾子氏によれば、「会社が許し、かつ副業したいと思っているのに踏み出せない人は特に40代、50代に多い」という。それはなぜか。ミドルシニアが副業で成功する秘訣を聞いた。
【Q】ミドルシニアが副業をするメリットは?
会社を辞めずにセカンドキャリアの準備ができることです。
会社員が社内での出世に見切りをつけ始めるのが大体50歳前後。セカンドキャリアを模索しようとすると、2018年以前は会社を辞めるか、定年まで我慢するかしかありませんでした。しかし現在は、会社を辞めずに副業という形で次の道を探す選択肢が一つ加わりました。社外の人と接点を持つのは自分にとっても会社にとっても良い経験になります。
【Q】ミドルシニアが副業に踏み切れない理由は?
会社が副業を推奨しているし、本人もしたい気持ちはある。しかし一歩踏み出せないミドルシニアは多いのです。その理由は「自分の経験は潰しが利かない病」にかかっているからです。特に大企業に勤めている人は、同じ会社で同じ仕事ばかりしてきたので、社会では通用しないと思い込んでいます。例えば、昔ながらの営業しかしてこなかったから今の会社では役に立たないとか……。しかし実際はそんなことはありません。30年近く一線で働いてきたキャリアは非常に役に立ちます。自分の実力を過小評価している人が多いのです。ある意味で井の中の蛙ですね。まずは勇気をもって、外の世界に出てみることをおすすめします。