小林製薬は「いのち輝く」大阪万博メインパビリオンに5億円協賛…同社の対応は?
一難去る間もなく、また一難だ。2025年大阪・関西万博に、新たな懸案が浮上している。「紅麹」サプリ摂取者の5人が死亡し、商品の自主回収を決めた小林製薬が、目玉パビリオンに出展予定なのだ。「いのち輝く」万博にふさわしいのか。小林製薬を直撃すると──。
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小林製薬は28日、大阪市内で定時株主総会を開催。「紅麹」サプリの健康被害問題について、小林章浩社長は「被害の拡大防止と原因究明に全社を挙げて全力で取り組む」と謝罪した。株主は「情報公開が遅い」「管理体制がまずい」などと怒り心頭だった。
小林製薬によれば、サプリ摂取と死亡との関連が疑われる事例が5件、摂取後の入院事例は106件に上る。同社に摂取と健康被害の因果関係について尋ねると、「詳細を確認中」(広報IR部)とだけ回答した。その後、厚労省によるとサプリを服用して入院した人は重複計上などがあったため、106人から93人に修正された。
さらなる問題は万博との絡みである。大阪府・市が出展する「大阪ヘルスケアパビリオン」。「いのち輝く未来社会のデザイン」という万博のメインテーマを具現化する施設に、小林製薬は「プレミアムパートナー」として協賛しているのだ。
プレミアムパートナーは協賛金5億円以上が条件で、パビリオンに企業ブースを出展できるほか、パビリオンの公式ロゴ(青いたまごマーク)を広告や頒布品、景品などに使用できる。
プレミアムパートナー以上の企業は、最上位ランクの「スーパープレミアムパートナー」(協賛金10億円以上)を合わせても20社に過ぎない。そんな超大口スポンサーのひとつが健康被害で糾弾されているのだ。すでに逆風すさまじい万博にとって、まさに弱り目にたたり目。もはや呪われているとしか言いようがない。