大正製薬がMBOで非上場化へ…舞台裏では取引金融機関の激しい“つばぜり合い”が
大正製薬ホールディングス(上原明社長)が東京都内で18日開催した臨時株主総会で、株式非公開化に向けた株式併合などの議案を可決した。東証スタンダード市場の上場は4月9日に廃止となる。
大正製薬HDは、オーナー家の上原茂副社長が代表を務める大手門(東京・豊島区)がMBO(経営陣が参加する買収)の一環として実施したTOB(株式公開買い付け)が1月に成立しており、株主総会での承認を受けて大正製薬HDの残り全株式を取得する手続きを進めることになる。
非上場化に合わせて大正製薬HDは上原茂氏が社長に昇格する予定だ。主力の一般用医薬品(大衆薬)が伸び悩むなか、非上場化でネット販売や海外展開を強化するとしている。
だが、このMBO、非上場化の舞台裏では、取引金融機関の激しいつばぜり合いがあったことは知られていない。「大正製薬のMBOは過去最大の約7000億円のディール。その巨額な買収資金をどこの銀行が融資するかが焦点だった」(メガバンク幹部)というのだ。
■三井住友銀行の「法皇」堀田庄三氏との血脈