外食はスタバもマックも減収なのに…「サイゼリヤ」が過去最高益を叩き出した秘密
世界的なインフレの波が外食企業を悩ませている。10月22日にはスターバックスが、2024年7~9月期で世界の既存店の売り上げが前年比マイナス7%になると発表。マクドナルドも前四半期は、来客数の減少で6期ぶりの減収となっていた。
その一方、同じ外食にあっても好調なのがサイゼリヤだ。同社が9日に公表した24年8月期決算では、売上高が22.5%増、純利益は58%増の81億円で、過去最高の数字を叩き出しているので、まさに絶好調という勢いだ。
サイゼリヤといえば、周辺環境がどうなろうと「値上げをしない」ことでファンの心をつかみ続けてきた。ただ何もしないままでは到底通用しないので、値段は据え置きながらサイズダウンを行ったり、7月10日には優待を廃止したことで、株価が急落するなどということもあった(もっとも廃止と同時に増配が行われているのだが)。
「同社はコスト高に対し、メニューや内容量の見直しで対応。そのうまさについては、顧客離れにつながるどころか逆に、それによって得られるお得感から、複数のメニューを頼む顧客を囲い込み、客単価を毎年引き上げていて、プラスにつなげているという事実を見れば明らかです」と同業他社の幹部も、「敵ながらあっぱれ」と舌を巻く。