「事業譲渡後の倒産」が急増する背景…2023年度は前年度比32%増
アサヒグループホールディングスは2023年9月、グループ会社「アサヒフードクリエイト」が展開する「アサヒビール園」など17店舗をコロワイドグループに売却。さらに24年9月には老舗料理の「なだ万」をオノデラグループに売却する。
アサヒフードクリエイトは7月、東京地裁から特別清算開始決定を受け倒産、負債総額は89億円だった。
アサヒグループは外食産業から完全撤退することになった。アサヒグループHDのように事業譲渡後に倒産する企業が急増してきている。
東京商工リサーチが7月31日に発表した「事業譲渡後の倒産」動向調査によると、過去5年間の倒産件数(3万7707件)では946件と2.5%だったが、23年度は倒産件数9053件のうち210件と前年度比で32%増と大幅に増えているのだ。
倒産形態は清算型の特別清算が最多(57.8%)。企業は消滅するが、事業譲渡により事業は存続するため、事業再生の一形態とみなされる。同社情報本部の増田和史課長がこう述べる。