イーロン・マスクの米政権入りでXはどうなる…売却の可能性は? 論調は変化するのか?
■「Xのリベラル色が消えていく可能性がある」
経営面の変化はもちろん、X上の論調に変化は出てくるのだろうか。13日には英・ガーディアン紙がXへ投稿を、有害なプラットフォームであるとして打ち切ると発表。また、15日にはスウェーデンのダーゲンス・ニュヘテル紙が、やはり、同様の理由でXへの投稿を打ち切ると発表するなど、既存メディアからのウケは悪いのが実情だ。
「マスク氏がもともとリベラル派の民主党を支持していたことが象徴的ですが、元来、X、というかツイッターの頃は陰謀論を嫌う傾向があるリベラル寄りのユーザーが多いSNSでした。マスク氏の買収後もなお、リベラル寄りのユーザーは今も元気にXで情報を発信していますが、リベラル勢力を倒したトランプ氏が構築する政府にマスク氏が入っていく以上、それこそ、陰謀論好きの反リベラルな人たちが以前にも増して活性化するのは明らかです。ゆえに、Xのリベラル色が消えていく可能性があると言えるでしょう」(井上氏)
ただ、マスク氏が政府入りする以上、陰謀論をはじめとするいい加減な主張や差別心丸出しの投稿を野放しにしたままでは、今度はアメリカ政府の沽券にもかかわってくるのではないだろうか。それでも、井上氏は今後もそれほど厳しい取り締まりは行われないのではないかとみる。
「マスク氏はもちろん、トランプ氏も『言論の自由』を重要視する人物です。陰謀論も存在自体は言論の自由の一部ですから、積極的な規制は行わないのではないでしょうか。Xが政府に近い存在となったとしても、それが信じられないようなトンデモ話が花咲くSNSになる可能性は決して低くないでしょう」
そうなると、Xはいよいよ陰謀論まみれのSNSになっていくということなのだろうか。
「将来的には、Xはそれこそ、『政府の要人はみんな宇宙人だ!』といった話が平然と大量にリポストされてしまう状況になってしまうかもしれません。今後はネットユーザーがXも含め、さまざまなカラーのプラットフォームを自身の志向に合わせて住み分けていくことになるのではないでしょうか」
住み分けは何ら問題ないが、Xが原因でアメリカ政府が狂ってしまわないことを願うばかりである。
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