日経平均株価は年末に4万円回復?「掉尾の一振」はなぜ起きるのか?
今年11月の日経平均株価は3万8000~3万9500円のレンジ相場で足踏みしていたが、日本株には年末に向けて上昇するという経験則がある。これを「掉尾の一振」と呼んでいる。「掉尾」とは「物事の最後」という意味で、「魚が死ぬ前に尾を振ること」から、「物事の最後で勢いが盛んになる」ということである。
その理由は4つだ。
①配当再投資:11月下旬から12月上旬は3月期決算企業が中間配当(今年の総額は8兆円超)を支払う時期であり、これを受け取った投資家が市場に再投資することで株式市場の好需給をもたらす。
②機関投資家の行動:機関投資家は12月に含み損解消のために株式を売却する傾向があり、それが一巡した後は年末にかけて保有株式の評価額を恣意的に上げる目的で、保有株の買い増し(いわゆる「お化粧買い」)をすることがある。
③個人投資家の動向: 個人投資家はボーナス支給や新年への期待感や高揚感により、投資に積極的になる傾向がある。
④「米国株も年末高」の影響:米国でも年末に向けて株価が上昇する傾向があり、「クリスマスラリー」ともいわれているが、これが日本株を牽引する材料となっている。