フジHD「資産価値1兆円強」の不動産群を物言う株主が狙う!下げ材料ばかりなのに株価連日高騰の“カラクリ”
17日の自滅会見から株価は連日の高騰だ。21日、フジテレビを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングス(HD)の株価は続伸。前日比37円50銭高の1823円で引けた。先週末の終値から2日間で7.8%アップ。中居正広の女性トラブルにフジ社員の関与が報じられて以来の下落続きから一転、先月24日の直近高値1863円に近づいている。
この「まさか」の株価急回復にクビをかしげる向きも多いだろう。港社長らのオソマツ対応により、スポンサー企業75社がCM出稿を差し止める事態に。21日の取引中には、放送事業を所管する村上総務相が「独立性が確保された形」の「できる限り早期の調査を」と異例の注文をつけ、大株主である文化放送の斎藤社長はフジHDの社外取締役の立場から「臨時取締役会の開催」を求めた。
下げ材料しかない中、ある意味、逆行高だ。フジ存亡の機を尻目に、21日の売買高は東証プライム上場企業の上位6番目という過熱ぶりに「7%超を保有し、経営陣に怒りの書簡を突きつけた米投資ファンドのダルトン・インベストメンツなど『物言う株主』たちが買い増しているのではないか」(市場関係者)との声も上がる。
物言う株主の目当ては、フジHDが抱える広大な不動産群のようだ。
傘下のサンケイビルはそれぞれ超一等地に立つ、東京・大手町の「東京サンケイビル」(地上31階、地下4階)や、大阪・梅田の「ブリーゼタワー」(地上34階、地下3階)をはじめ、24棟のオフィスビルを所有。関東・関西両エリアで計193棟(1万5127戸)に及ぶ高級マンションの分譲・賃貸事業も手がける。