フジHD「資産価値1兆円強」の不動産群を物言う株主が狙う!下げ材料ばかりなのに株価連日高騰の“カラクリ”
利益の7割近くを稼ぐ
また、2015年に「グランビスタ ホテル&リゾート」(旧三井観光開発)を傘下に収めると新ブランド「ホテルインターゲート」を立ち上げ、東京・京橋、大阪・梅田、京都、金沢、広島に次々と進出。千葉の「鴨川シーワールド」と兵庫の「神戸須磨シーワールド」などレジャー施設も運営している。
フジHDの今期(25年3月期)中間決算は売上高こそ放送事業が2053億円と全体の74.5%を占めるが、コストを差し引いた営業利益は不動産事業が逆転。全体の65.6%を稼ぎ出している。もはや「電波も扱う不動産屋」で、所有する土地・建物など固定資産の価値は約1兆439億円(昨年度末時点)にも上るのだ。
■意に従う取締役を送り込むチャンス
「1兆円を突破する不動産を持ちながら、フジHDのPBR(株価純資産倍率)は現在0.4%台の割安水準で及第点の1%を大きく割り込んでいます。物言う株主にすれば、経営陣に『豊富な資産を生かし切れておらず、株主の利益を損ねている』と迫る材料となり得る。中居トラブルで深刻な企業統治不全を露呈した今、6月の株主総会で経営陣の総入れ替えを突きつけ、意に従う取締役を送り込むチャンス。2年前の総会では複数の取締役選任に際し、賛同が6割を切るなど株主構成も盤石とはいえない。議決権比率20%未満という放送法の外資規制に守られているとはいえ、株主提案権はクリアできる。物言う株主の要求に一定数が同調しかねないのです」(市場関係者)
無能な経営陣のせいで、フジHDが乗っ取られるリスクは強まるばかりだ。
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スポンサーありきの民放放送「フジテレビ」は存亡の機を迎えているが、「諸悪の根源」として取締役相談役の日枝久氏の責任問題が社内外から叫ばれている。●関連記事『【もっと読む】フジ女子アナ“上納接待”疑惑「諸悪の根源」は天皇こと日枝久氏か…ホリエモンは「出てこい!」と訴え、OBも「膿を全部出すべき」』で詳報する。