喫茶店の倒産が過去最多ペースに…昭和レトロブームでも存在意義薄れ、勝てる要素なし
喫茶店の倒産ペースが増えている。帝国データバンクによると2024年4月から25年2月までの倒産件数(負債1000万円以上の法的整理)は66件で、過去最多ペースとなった。同じ期間で比較すると18年度の69件から22年度には34件まで減少し、23年度には64件と急増した。直近の2年連続で60件を上回る。なぜV字に推移したのか。
「21、22年度はゼロゼロ融資の影響を受けて、店舗経営を維持した喫茶店が多くみられました」(帝国データバンク・飯島大介氏)
ゼロゼロ融資とは、コロナ禍で売り上げが減少した企業を対象とした実質無利子・無担保の融資制度。20年3月に始まり、22年9月に終了した。制度の終了後は外部環境悪化の影響を受けたと思われる。人件費など店舗運営コストが上昇し、円安に伴ってコーヒー豆の価格も上昇。24年度におけるアラビカ種の平均価格は20年度の2.5倍に膨らんだ(帝国データバンク)。
もっとも、喫茶店の数は長期で減少し続けている。全日本コーヒー協会によると、全国の喫茶店数は1981年の15.4万店をピークに減少し、最新のデータがある2021年には5.9万店となった。大手の台頭や景気悪化が影響したようだ。