保阪正康作家

１９３９年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。２００４年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史　縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く歴史が暗転するとき』（講談社）として好評発売中。

学徒出陣の悲劇答辞を呼んだ東大生にまつわる不当な噂話

公開日：2020/06/01 17:00　更新日：2020/06/02 13:32

　学徒出陣は悲劇として、戦後も語られてきた。その半面、出陣学徒を代表して答辞を読んだ東京帝大の学生には不当な噂が流された。確かに戦場で亡くなった学徒も多いのだから、誰かにその不満をぶつけたいとの心理もあり得た。戦後すぐに、この学生はあの答辞を読んだ見返りに即日帰郷となり、軍隊生活…

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