著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

軍中央の出たとこ勝負と面子のために兵士が玉砕させられた

公開日: 更新日:
アリューシャン列島アッツ島で集団自決した日本軍兵士の遺体(ACME)/(C)共同通信社

 この玉砕を大本営は国民の戦意高揚に利用しようとした。何から何まで異例の扱いであった。5月30日の大本営発表は、「5月29日夜敵主力部隊に対し最後の鉄槌を下し皇軍の神髄を発揮せんと決意し全力を挙げて壮烈なる攻撃を敢行せり、爾後通信全く途絶全員玉砕せるものと認む、傷病者にして攻撃に…

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