著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

中途半端な対中関係を改めて欲しい…孫文が犬養毅に送った心底からの叫び

公開日: 更新日:
政友会の総裁就任を受諾した際の犬養毅(1929=昭和4=年10月8日、神奈川県湯河原町=日本電報通信社撮影)

 例えば日本の背反行為には次のようなケースがあった。孫文は第3次広東政府の指導者に復帰したあと、広東総領事に赴任した天羽英二としばしば会っている。天羽は孫文に会ううちに、次第にその考えに引かれている。

 むろんそこには外交官としての思惑もあったであろうが、孫文が共産主義に近…

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