500万減でサインの巨人・沢村が来季「制圧」すべきは自分自身
「技術がないと実感しました。技術を磨きます」
12月17日、500万円ダウンとなる年俸6000万円で契約を更改した巨人・沢村拓一(25)のセリフだ。
今季はキャンプ前から「打者を制圧する」と公言し、体重増加を宣言。1日6食をノルマとし、吐きながらバーベルを持ち上げた。そうやってスピードを追い求めた結果が、5勝10敗(防御率3.13)という散々な成績。さすがに、安定した投球をするためには“力より技”、“球速より制球力”と気づいたのだろう。
来季が入団4年目。遅すぎる気がしなくもないが、頑固な石頭で知られる沢村が「技術」に言及したのは、ひとつの進歩といっていい。
来季は先発に復帰することになっているとはいえ、首脳陣のランク付けは高くない。今季は先発として22試合に投げ、防御率3.43。9月初めにリリーフに降格してからは、12試合で防御率0.63だった。難しいことは考えず、真っすぐで押せる短いイニングの方が性格的に向いている、とする声はチーム内に少なくない。オープン戦で結果が出なければ、すぐに中継ぎに配置転換される可能性が高い。
広島からFAで大竹が加入して先発ローテ争いは熾烈(しれつ)だが、沢村の敵は大竹でも若手投手でもなく自分自身。球速への欲求を抑え込み、自らを「制圧」することである。