全日本選手権V11も…懸念深まる階級変更後の吉田沙保里
「今回は(大会前に)腰と背中に張りが出た。もう30歳過ぎたので試合がしんどいんです」――。
レスリング女子55キロ級で五輪3連覇中の吉田沙保里(31)が、珍しく弱音を吐いた。
23日に閉幕したレスリング全日本選手権で、「霊長類最強の女」が順当に優勝。11度目の全日本女王に輝いたが、これまでのような横綱相撲からは程遠かった。
準決勝までは危なげない戦いで勝ち進んだが、浜田千穂(日体大3年=21)との決勝では苦戦。第1ピリオドではバックで2ポイントを先取しながら、終盤に上体を押さえられながら場外に押し出されて1ポイントを失った。
第2ピリオドは終始、押され気味。攻めあぐね、相手のチャレンジ(ビデオ判定)無効で得た2ポイントを追加して辛うじて勝利を収めた。
試合後の吉田は「(相手の浜田は)返しがうまいので、なかなか踏み込めなかった。あと3年あったら怖い存在になる」と大学生の実力を認めた。
国際レスリング連盟(FILA)は去る18日、来年からの階級変更を発表。吉田が五輪、世界選手権合わせて14連覇を成し遂げた女子55キロ級は廃止され、新たに53キロ級が創設された。