史上初出場 “都立の星”小山台は甲子園の台風の目になる
都立校が史上初のセンバツ出場の快挙だ。24日に選考委員会が行われ、21世紀枠で小山台(東京)が選出された。
都内有数の進学校で文武両道を掲げる。菅直人元首相らを輩出した伝統校は当然、私学に比べれば練習環境に恵まれていない。学校の方針で午後5時には下校する決まりになっているため、3時20分から始まる練習はわずか1時間半。その上、狭いグラウンドに4クラブが重なり合うため、週1回は多摩川の河川敷に出て練習していた。
そんな悪条件をモノともせず、昨秋の都大会では甲子園経験がある堀越、早実、日大豊山の強豪私学を次々と撃破。8強入りを果たした。
都立の弱小進学校と侮るなかれ――。打線は2回戦の早実線で本塁打1本を含む13安打8得点。9―5で打ち勝てば、3回戦の日大豊山戦で今度はエースの伊藤優輔(2年)が完封勝利。この伊藤は140キロ前後の直球とキレのいいスライダーなどをコーナーに集める東京屈指の好投手なのだ。
06年にエレベーター事故で部員を亡くした。悲しみも乗り越えた「最大の21世紀枠代表候補」が、都立の星として聖地で旋風を巻き起こす要素は揃っている。