完封で4強 フランス戦ラスト20分で見せた「ドイツのDNA」
■「最後に勝つのは自分たち」
それでも、ドイツは勝って試合を終わらせた。この日のように前半の早い段階で1点を奪い、そのまま終盤まで推移した場合、ロスタイムを含めて残り20分間は相手の猛攻が続くケースが多い。ドイツはそれを許さなかった。引いて守るのではなく、中盤でボールを奪い、相手陣内に攻め込んでいく。
リードして残り時間が少なくなってくると、ボールをいたずらにキープして時間稼ぎするようなチームも多いが、それをやるとどこかで付け込まれ、受け身になってしまうことが多い。ドイツの選手はそれが分かっているから、最後まで攻め続けるのだ。
これは戦術的なものではない。「ドイツのDNA」のなせる業といっていい。「最後に勝つのは自分たちだ」という強い気持ちを保ち、攻め続けて試合を終わらせることができる。
これこそが「勝てるチーム」なんだ。ドイツの安定感を改めて見せてもらった。
(鈴木良平/ドイツサッカー協会公認S級コーチ)