プロ野球の鳴り物応援は「ヘイトドンガラ」から進化すべし!
土石流災害を受けて鳴り物を自粛した地元広島の対阪神戦は、野球の本来の面白さを際立たせた。バットの芯で捉えた打球音、マエケンの速球がキャッチャーミットに収まる音。日頃応援のドンガラ鳴り物がいかに試合を邪魔しているか、図らずも実感できたのだった。
午後10時を過ぎ、鳴り物が球場からフと消える瞬間の安らぎを、何かに例えるとすれば……。
東京駅、発車ベルがビロビロビロと鳴り響く中、駅員ががなり立てる「ドアが閉まります。危ないですから駆け込み乗車はやめてください! 白線の内側へ下がってください!」の喧騒を断ち切るように新幹線のドアがスッと閉まって、えもいわれぬ静寂が訪れた瞬間の安らぎ。
はたまた、自分で音痴を自覚していないだみ声オヤジがマイクを離さずに大音量で歌いまくる便所臭いカラオケスナックから、夜風に当たろうと店の外へよろめき出れば、はたと音がやんで、聞こえるは早鳴きのコオロギが一匹小さくコロコロとすだく夜のしじまへ解放された瞬間の安らぎ。
もひとつ、「え~やだぁ~、ミキと相部屋じゃない~~!」「ちょ~ウゼ~」「ぎゃぁぁぁぁぁ!」「部屋番号を確認したら相部屋の生徒と一緒に部屋に入りなさい! ルームキーをなくさないようにぃ!」