なぜ阿部詩は号泣し、須崎優衣は嗚咽したのか…溢れ出る悲壮感はメダル連発スケボー選手と天地の差
「皆さんの努力と時間を無駄にした」
よく泣く五輪である。
日本時間8日未明に行われたレスリング女子50キロ級の3位決定戦で、敗者復活から勝ち上がった須崎優衣(25)がウクライナのリバチを破って銅メダルを獲得。「オリンピックチャンピオンの須崎優衣じゃなかったら、もう価値がないんじゃないかと思ってたんですけど、負けたのに声援を送ってくれて、信じてくれて、励ましてくれた方々に感謝したい」と目を潤ませた。海外選手に94連勝中で五輪連覇が有力視された絶対女王は、7日の1回戦でまさかの敗退。「支えてくれた皆さんの時間や努力を私がすべて無駄にしてしまった。本当に申し訳ないです」と嗚咽したばかりだった。
思い詰めた表情で「パリ五輪チャンピオンになるため、人生を懸けて3年間レスリングだけに費やしてきたのに…」と絞り出し、何度も「本当に申し訳ないです」と頭を下げる姿は、「見ている方が苦しくなる」(関係者)ほどだった。
柔道では、五輪連覇が確実視された女子52キロ級の阿部詩(24)が2回戦でまさかの敗退。畳を降りると、コーチの胸に顔をうずめ、会場に響き渡る悲鳴をあげて大号泣した。余りの異様な光景に賛否が集まったが、阿部もまた、インタビューで「絶対に勝ちにいかないといけないという気持ちがすごく強くて、そのプレッシャーに負けてしまった。この五輪にすべてをかけ、この一日のためにやってきたので、負けた瞬間は冷静に自分を保つことができなかった」と声と体を震わせた。