河治良幸氏が解説 ハリルホジッチ采配が読める「伝説の一戦」
日本代表新監督のハリルホジッチ(62)には、かつてジャイアント・キリング(番狂わせ)を成し遂げた伝説の試合があった。誰よりも早くポスト・アギーレに推したサッカージャーナリスト河治良幸氏は、2001年8月8日の欧州CL予備予選プレーオフのパルマ戦で見せたハリルホジッチの采配の妙に注目した。
■司令塔・中田英寿を密着マーク
欧州CL予備予選プレーオフでハリルホジッチ氏率いる仏1部リールの相手は、MF中田英寿を擁するセリエAの強豪パルマだった。今でこそ破産危機が話題に上がっているパルマだが、当時は、のちのイタリア代表主将のDFファビオ・カンナバーロをはじめとする各国代表クラスが名を連ね、日本代表の主力でもあった中田英がトップ下で司令塔役を担っていた。
一方のハリルホジッチ氏は、00-01年シーズンに1部に昇格させたリールをリーグ3位に躍進させ、CLのプレーオフ出場権を獲得。しかし目立った補強もないまま、イタリアの強豪とのホーム&アウェーに挑んだ。
パルマの地元で行われた第1レグ。パルマのウリビエリ監督は大方の予想通り、トップ下に中田を配置する「3-4-1-2」を採用し、2トップにイタリア代表FWディ・バイオ、セルビア代表FWミロシェビッチを並べた。対するハリルホジッチ氏のリールは、システムとしては身長193センチのFWバカリをトップに張らせた「4-5-1」だったが、試合が始まると中盤の選手が、奇妙なポジション取りをした。