河治良幸氏が解説 ハリルホジッチ采配が読める「伝説の一戦」
ボランチのMFダミーコが、中田の密着マークについたのだ。さらに中盤で試合を組み立てるMFラムシにも、厳しいマークを入れて攻撃のリズムを崩した。そしてボールを奪った瞬間に数人の選手が縦のスプリントを繰り出し、カンナバーロ主将の統率するパルマのDFラインを脅かした。
ハリルホジッチの狙いは、パルマの攻撃の大半で起点となる中田英とラムシのホットラインを完全に分断し、横パスとロングボールに頼った単調なパターンに終始させること。
攻撃では、アルゼンチン代表の名手MFアルメイダとクレバーなラムシが構える中央を囮に使い、サイドを突いてパルマがやや苦手としていたマイナス方向のハイクロスでフィニッシュすることだ。なぜパルマがマイナスのハイクロスを苦手としていたのか?
3バックの中でカンナバーロとアルゼンチン代表DFセンシーニは高度な守備能力を誇っていたが、小柄だったこと。もうひとりのDFジェトゥは屈強だが、横からの攻撃に対してボールウオッチャーになる悪癖があったからだ。
■全員のハードワークで“番狂わせ”達成