J視察のハリル監督不満 「もう少しやる気、力強さを」の真意
■日本はスポーツで成功せずとも飢え死にしない国
作家の五木寛之氏は、日刊ゲンダイ2001年6月7日付の「流されゆく日々」でこう書いている。
「激しい踊りは、本来、肉食人種、騎馬民族のものだろう。戦後のジルバを踊った時代から半世紀、ようやく日本人も普通に洋風の踊りを踊ることが可能になったようにも見える。しかし、それでもなお欧米、ラテンアメリカ、そしてアフリカなどの踊りとは、何かが違う。五十数年では乗り越えられないものが、そこにはあるようだ。そのことはフィギュア・スケートなどを見ていると、よくわかる。(中略)なにも日本人が劣っていると言っているのではない。本質が違うのを感じるだけだ。中腰のポーズに強かったり、這いずり回ることが得意な農耕民族に、跳ね馬のまねは難しい、と感じるのである。(中略)アメリカン・フットボールは、日本人には向かない。サッカーも、ラグビーも、どこか違う。アメリカと日本が愛好する野球には、どこかアジア的な休止符のドラマがある」
要するにハリルホジッチは、日本人選手の戦う姿勢、基本的な動作を生で見て、改めてサッカーに向いていないと感じたのではないか。だからといって、まさか正直に口にするわけにいかず、「やる気や力強さのなさ」という言葉が口をついたのかもしれない。