川勝良一氏が指摘 ハリル監督は“緩い”国内組に宿題を与えた
ハリルホジッチ新監督が、幸先良いスタートを切った。初采配となったチュニジア戦では、新監督のやりたいことが伝わってきた。スピーディーにボールを動かし、突破のタイミングも早くなった。センターバック(CB)同士のパス交換が少なくなったことにも注目したい。
これまで日本代表の試合を見ていて「ダルイ」と思ったのは、CB同士の無意味な往復パスが多かったことだ。まるでテレビドラマの間に長いCMが入るようなもの。興ざめすること甚だしい。
それがチュニジア戦では、CB同士のパスが片道通行に変わった。
選手交代も興味深かった。後半15分に2人を同時に代え、その12分後に再び2人を同時交代させた。仕掛けていくタイミングが、これまでよりもずっと早くなった。象徴的だったのは、本田の2点目につながった香川のプレーである。
香川は、マーカーの股間を狙ってラストパスを通そうとした。今までの香川なら、ターンして持ち直していただろう。
攻撃を組み立て直そうとボールを下げるのは簡単なことだ。これまで「そこでクロスを入れられたら相手は困るのに……」と思ったことが何度かあった。抜かなくてもいい。崩さなくてもいい。まずはクロスを、シュートを打つという意識が、どの選手からも感じられた。新監督の特徴といえる。