川勝良一氏が指摘 ハリル監督は“緩い”国内組に宿題を与えた
そもそも、サッカーは「シュートを打つためにどう工夫するか」というスポーツ。従来の日本代表はシュートやゴールよりも、中盤でのビルドアップが重視され、「ゴール前に行くのにどうするか」が優先された。
■今のままではJチームはAFCで勝てない
ウズべキスタン戦後半、ハリルホジッチ新監督はあえて相手ゴール前に攻め込まず、相手を攻めさせることでスペースをつくり、そこをカウンターで狙って4ゴールを決めた。意識と戦い方を変え、ゲームプランを変更して成功した好例だ。
新体制の2試合を見た上で、あえて厳しいことを言わせていただく。
国内組が代表戦で見せた「攻守に激しく、運動量の多い」サッカーをJリーグでも継続していかないと、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)では勝てないということである。
新監督のタフなサッカー、走るサッカーを、Jリーグはしっかりと学ばなければいけない。
今回の2試合で、代表選手全員は宿題を与えられたと思う。Jリーグで緩いサッカーをやっていてはいけない。Jリーグのみならず、欧州組にしても、所属クラブでタフなサッカーを持続していける選手は誰か? 今後も注目していきたい。
▽川勝良一(かわかつ・りょういち) 1958年4月、京都市生まれ。法政大在学中に日本代表入り。V川崎、神戸、福岡、京都でJ監督を歴任。現役時代は読売クラブ(現東京V)で背番号10の技巧派MFとして知られた。現在はスカパー解説者。