札幌ドームの「ファウルボール訴訟」 メジャーではどうなる?
マイナーリーグでは同様のケースでファンが起こした訴訟を裁判所が受理した。数年に及ぶ本格的な審理を行ったが、いずれも「ファウルボールによるケガのリスクは自己責任」という判断が下され、原告側の敗訴に終わっている。
■折れたバット
興味深いのは観戦中に折れたバットが顔面に当たって大ケガをしたケースでも同様の判断が出ていることだ。
07年にメッツファンが内野席で観戦中、打者ルイス・カスティーヨの折れたバットが顔面を直撃、鼻骨を骨折する事故があった。このファンはメッツと球場だけでなく、打者のカスティーヨ、カスティーヨにバットを貸したR・カストロ、それに割れやすいメープル製のバットをつくったローリングス社まで相手取って損害賠償訴訟を起こした。しかし裁判所は観戦中のリスクは自己責任であるとして原告の訴えを退けている。
■ホットドッグ
カンザスシティーでは親と観戦に来ていた4歳の少年が、球団のマスコットがファンサービスでスタンドに投げ込んだホットドッグが目に当たって大けがをしたことがあった。この時の損害賠償訴訟でも裁判所は、観客席にサービス品が投げ込まれるのは普通に行われていることであるとして原告の訴えを棄却している。
(スポーツライター・友成那智)