サヨナラ勝ちも8-0から追いつかれ…阪神の“虚しいバカ騒ぎ”
「反省点が多い。心から喜べる試合ではない」
勝った和田監督はマイクの前でこう言ったが、その通りだ。
阪神は先発藤浪の快投で六回終了時点で8-0。02年に井川が記録した31回を超え32回連続無失点を達成。そこまで2安打10奪三振の内容なら、難なく完封勝ちかと思ったら、七回に別人と化す。
伊藤隼や上本の拙守に足を引っ張られる不運はあったものの突然崩れて4失点KO。2番手高宮も適時打を許し、3番手松田が今江に3ランを浴びてまさかの同点。甲子園のファンは、前日の悪夢を思い出したに違いない。
阪神は前日も1点リードの九回二死から、抑えの呉昇桓が連打と四球で満塁とし、角中に逆転満塁弾を打たれて嫌な負け方をしたばかり。グラウンドに投げ込まれた黄色いメガホンの数がファンの気持ちを「代弁」していた。同日には二軍もオリックス相手に九回の満塁被弾で黒星を喫しているから、「親子」してファンを落胆させたことになる。
結局、この日は延長十回、自身のサヨナラ犠飛で連敗を3で止めた鳥谷は、「どんな形でも最後勝てたのでよかったです」と語った。それはそうかもしれないが、8-0の大差でとっくに終わらせなければならない試合を自分たちで引き延ばし、勝利の瞬間、ベンチから飛び出しての大はしゃぎは何ともむなしかった。