阪神・藤浪の“ゼロ封”を評論家絶賛「変身のきっかけになる」
「前回のプロ完封勝利より、内容のあるゼロ封だったと思いますね」
評論家の橋本清氏がこう言った。
27日の楽天戦。阪神先発の藤浪晋太郎(21)が見事な投球を見せた。延長十回まで楽天打線をわずか4安打に封じ、奪った三振は13。勝ち星こそつかなかったが、無失点のまま131球を投げ切る熱投だった。
「ボール先行が多かった20日の巨人戦での完封とは対照的に、この日はどんどんストライクを投げ込んでいた。そもそも、198センチの長身から投げ下ろす150キロ超の真っすぐは、それだけで大きな武器です。それを自覚して、ストライクを投げることを恐れずに攻めていけばいい。でも、周囲から制球難を指摘され、そこを意識するあまりコーナーにいい球を投げようとし、結果、カウントを悪くして投球が苦しくなるという悪循環に陥るケースがありました。この日のような投球ができれば、相手打者も早打ちせざるを得ない。常に主導権を握った投球ができます」(橋本氏)
延長十一回に福留の2ランでサヨナラ勝ちした阪神は、交流戦を連勝発進。福留の打球が左中間スタンド最前列に吸い込まれた瞬間、手を叩いてベンチを飛び出した藤浪は、もう一つの欠点が指摘されることが多い。