あれは白鵬の負け 子供でも分かるとオレも言いたい(笑い)
先場所もあった白鵬の首をかしげたくなる行動。12日目に首投げで豪栄道に敗れた後、土俵際で立ち尽くしていたのだ。あまりにも長い時間だったので何とも不自然で、物言いがつくのを待っているように見えた。遠慮なく言えば、物言いをつけろと審判たちに催促しているようにすら見えた。その一部始終を若い相撲取りたちが見ているのだ。悪影響は計り知れない。
「あれは白鵬の負け。先に落ちてるんだから。子供でも分かる、とオレも言いたいよ(笑い)。負けと言われ、審判の手も挙がらなかったんだから負けが決まったのに、何がしたいんだ?と思ったよ。負け方が悪いんだ。いい相撲を取ればいいんだよ。ただ、それだけ。そういうことを師匠が白鵬に言わないといけない」
度重なる白鵬の問題行動を見ていて気になるのが、師匠である宮城野親方は怒らないのか? ということ。明日は武蔵川親方に、師匠と弟子の関係について聞く。(つづく)
取材・構成=ノンフィクションライター・渡辺勘郎
▽武蔵丸光洋(むさしまる・こうよう) 1971年5月2日、米国領サモアで生まれ、ハワイで育つ。高校卒業後に武蔵川部屋に入門し、89年秋場所で初土俵。91年名古屋場所新十両、同年九州場所新入幕。99年名古屋場所で第67代の横綱に昇進した。55場所連続勝ち越し記録は歴代1位。03年九州場所後に引退。優勝12回。通算779勝294敗115休。96年1月に日本国籍取得。現在は武蔵川親方として後進の指導に当たっている。