もう1場所待って欲しかった新大関誕生
いまや幕内に7カ国16人の外国人力士が名を連ね、角界の頂点に君臨する横綱は3人ともモンゴル出身、という大相撲。日本の国技ではあるが、もはや外国出身者なしでは成り立たなくなっているといえるだろう。そんな流れの先駆者の一人であり、横綱まで務め、今も日本相撲協会に残って元高見山以来2人目の外国出身の部屋持ち親方として弟子の指導に当たるのが元・武蔵丸の武蔵川親方(44)だ。そんな彼だからこそ話せる大相撲、特に外国人力士に対する率直な思いを聞いた。
「優勝した照ノ富士が大関になったわけだけど、私は、もう1場所、待ってからでもいいんじゃないかな、と思ってた。もう1場所、見てからでもいいんじゃない? とね。優勝したといっても、横綱を倒してない。たとえ3敗してたって、上の人を倒してたら納得するんだけど。そもそも最近は、その、上の人たちがピリッとしてないんだから」
先月の夏場所、12勝3敗の成績で初優勝した照ノ富士。春場所のあと、「14勝で、優勝なら」と言われていた大関とりの条件が場所前には「13勝でも」となり、さらに白鵬が3敗して優勝ラインが下がったことで、一気の大関とりとなった。しかも稀勢の里、琴奨菊の2大関には土を付けたが白鵬には敗れ、同部屋の日馬富士との対戦はなく、鶴竜は休場と、横綱には勝っていない。