「カギは集中力持続」 初代なでしこ監督がイングランド戦予想
28日の準々決勝オーストラリア戦は、ピリッとした緊張感が漂う中、なでしこの選手たちが創造性あふれるパス回しを見せ、何度も何度も決定機をつくり上げた。彼女たちは、自分たちが世界女王であることをW杯のピッチの上で証明した。本当に素晴らしい内容の試合だった。ベスト4入りの要因は2つある。
まずは「オーストラリアの強烈プレス逃れ」。オーストラリアは、1次リーグ初戦の米国戦でも奏功したが、キックオフと同時にハイプレスを掛け、試合の主導権を握ろうとしてきた。なでしこはどう対応したか? プレスを掛けてくると見るや、最終ラインから前線に向けてロングボールを放り込んだのだ。
オーストラリアの選手は困惑した。プレスを掛けようと猛然とダッシュするとロングボールが入ってくる。プレスを緩めた途端、なでしこの選手たちは自在にパスを回し始める。CB岩清水、熊谷の“GK海堀の使い方”も実に絶妙だった。
CBの2人は、相手選手のプレスを引き付けてから“あえて”GK海堀にバックパスを送った。オーストラリアにしてみたら「最終ラインでパスを回し始めた」「プレスを掛けよう」「GKにボールを戻した」「GKは遠過ぎる」「戻って陣形を整えよう」「またパスを回し始めた」に翻弄され、前半のうちに体力を消耗してしまった。