「カギは集中力持続」 初代なでしこ監督がイングランド戦予想
■2人のボランチが果敢なプレーを見せられるか
ボランチでコンビを組んだ宇津木瑠美、阪口夢穂のプレーが、攻守両面において効果的だった。前回大会はサブに甘んじていた宇津木は、フランスリーグで培ったボディーコンタクト、球際の激しさで相手の攻撃の芽を摘み、ボールを奪うとタテへの的確なパス、個人技を利した突破力など持ち味を十二分に発揮した。彼女のキャリアの中で出色の働きだったと思う。試合後、FIFA選定の最優秀選手賞が贈られた。まったくもって当然の結果である。
阪口は、1次リーグ初戦から横パスやバックパスが目立ち、本来の持ち味である「前線にスパッとパスを入れ、自ら攻め上がってシュートに絡んでいく」プレーが少なかった。しかし、オーストラリア戦では果敢なプレーが随所に出た。
ボランチ2人が攻守に溌剌とプレーしたことで左SB鮫島彩、右SB有吉佐織、左サイドのMF宮間あや、右サイドのMF川澄奈穂美との連係もスムーズになり、攻撃がより多彩になった。
準決勝の相手イングランドには、単独でシュートまで持ち込んだり、相手の攻撃を八面六臂の働きで防ぐような“スーパーな選手”はいない。