メジャー席巻の韓国女子プロ 日本との差は「動機付け」と指摘
日本の女子プロは希望系動機付けを好む。キーワードは「希望」「夢」「憧れ」であり、単純に「夢をかなえたい」という願望に基づいた動機付けだ。しかし、この動機付けでは弱過ぎるのだ。
言葉で「優勝したい」と表現するのは美しいが、そこから切実感は伝わってこない。もっと言えば、この願望を言葉で表現するだけでは、何も前には進まない。
一方、韓国の女子プロを支えているのは緊張系動機付けだ。キーワードは「貪欲」「危機感」「飢え」である。ハングリー精神を心の中に満たして貪欲に賞金を取りにいく。この動機付けは強力であり、必然的に彼女たちを猛練習に駆り立てることになる。この点において明らかに日本人選手は後れを取っている。
それはともかく、ターンベリーでは、貪欲なプレーで優勝争いに絡む日本人選手が現れることを期待したい。
▽こだま・みつお 1947年、兵庫県生まれ。臨床スポーツ心理学者。追手門学院大学客員教授。大学時代、テニスプレーヤーとして全日本選手権に出場。大学教員になる前はプロテニスコーチとしても活躍。主な著書に最新刊の「錦織圭 マイケル・チャンに学んだ勝者の思考」がある。