<第1回> 阿部「捕手復帰」がチーム崩壊の序曲
ヤクルトの優勝が決まると、巨人首脳陣のひとりがこう言った。
「貧打もそうだが、監督は『やっぱり捕手を固定できなかったのが痛かった。投手によって捕手が代わるというのは、チームとして正しい姿じゃない』と言っていた。確かにそう。うちだけじゃなく、セはどこもそうだった。唯一の例外がヤクルト。ヤクルトにだけは中村という正捕手がいた。その差が出たということでしょう」
今季の巨人は、長く扇の要を務めた阿部慎之助(36)が一塁へ完全コンバート。これは、原辰徳監督(57)の強い要望でもあった。ヒザや首に故障を抱える阿部は昨年、捕手としてのスタメン出場が104試合にとどまった。その日の体調によって、当日にスタメンを回避せざるを得ない、という事態も頻発。だったら、半ば強引にでもポジションを空け、「ポスト阿部」をつくる――わざわざ、「阿部が捕手に戻ることは99%ない!」と公言し、チーム内外に自らの強い決意をアピールしたまでは良かったが、口だけだった。
今季、巨人のスタメンマスクを列挙すると、