私が巨人の監督なら「八回・マルティネス、九回・大勢」でいく。“格”からして当然だ
中日の絶対的守護神だった右腕、ライデル・マルティネス(28)の巨人移籍が決まった。
7年間で166セーブを積み上げ、防御率1.71。巨人が用意した4年総額50億円以上という破格条件が適正かどうかはともかく、リリーフ陣の強化をもくろむ阿部監督にとって、これ以上ない補強にはなった。
ただし、気になることがある。巨人にはすでに大勢(25)というリーグを代表する抑えがおり、マルティネスとどう共存させるのか。メディアは一様に「八回・大勢、九回・マルティネス」と報じており、阿部監督も明言したようである。
これに、ちょっと待てよ、と思うのだ。
マルティネスの実力に疑問を挟む余地はないものの、彼が抑えを務めてきた7年間の中日はどうだったか。Aクラスに入ったのは3位になった2020年の1度だけで、5位が3度、ここ3年間は最下位。つまり、個人的に残した数字は立派でも、「Bクラス球団のストッパー」というのが、抑え投手としての彼の“格”である。
抑えはきついポジションだ。勝ち試合に登板して、失敗すれば、味方の投手と野手とベンチの努力が水泡に帰す。そのプレッシャーで心身のスタミナをすり減らすが、優勝争いの輪から外れたBクラス球団だと、重圧はいくらか軽減される。