ゴルフネット中継で平然と“誤解説” 質とモラルはどこに?
【Tポイントレディス】
これだからゴルフ中継は信用できない――。
今大会は初日からインターネットで生中継された。時折、強い雨が降り、試合は何度も中断し、フェアウエーはいたるところに水たまりができた。カジュアルウオーターにボールが入るたびに救済処置を受けていたが、その時、プロゴルファーによる耳を疑うような解説があった。
「スタンスした足元に水が浮いてこない状態では、たとえボールがカジュアルウオーターにあっても救済されません。アマチュアの人はそれを勘違いしています」と言ったのだ。そのネット中継には男女プロが何人もガン首並べていたが、「そうだ」とも「違う」とも言わなかった。
果たして、そうか。
ルール研究家のマイク青木氏が「大間違いです」と、こう続ける。
「足元に水が浮いてこなくてもカジュアルウオーターの中にボールがあれば、罰なしの救済措置を受けることができます。日本のプロゴルファーやゴルフ関係者はルールを知らなさ過ぎます。そもそも日本ゴルフ協会に、ルールに熟知した専門家がいません。教えられる人間がいなければ育つわけがありません。米国では半世紀以上前から毎年ゴルフルール講習会を行い、今では全米20カ所以上で開催されています。そこで学んだ人が地元に戻り、教えています。ジュニア時代から正確な知識を身につけています。プロにいい加減な知識をひけらかされたら、ますます悪影響を及ぼします。ルールも知らない解説者をマイクの前に立たせるべきではありません」
プロですらルールが分かっていない現状が、はからずもバレてしまったわけだ。経費が安く上がるとネット中継が注目されているが、ルール音痴のプロの解説は百害あって一利なしだ。