TV局優先でファンを無視したゴルフ日本男子ツアーの異常
片山晋呉(42)が勝った先の三井住友VISA太平洋マスターズは最終日が濃霧により、中止になった。日本で予備日が設けられているのは、日本オープン、日本プロなど数試合に限られ、大会は54ホールで打ち切り。
これには首位と2打差の好位置につけていたB・ワトソン(37)も「非常に残念ですね。これだけ多くのファンに来ていただいたのに。どの選手もプレーしたかったと思います。自分も優勝できる位置にいましたから……」と言うしかなかった。
しかし本心は違ったはずだ。米ツアーでは予備日が設けられ、月曜日にズレ込んでも、72ホールを消化する。世界ランク4位のB・ワトソンにしてみれば、逆転優勝に向け自信があったようだから、大会中止に「なんで?」と不思議だったはずだ。
評論家の宮崎紘一氏がこう言う。
「勝負の途中で打ち切るなんて他のスポーツでは考えられません。マラソンでも何でも、テープを切って初めて勝敗がつくわけです。ワトソンだって『自分は逆転が得意だから、最終日でひっくり返すよ』と周囲に話していたそうですから、間違いなくあきれ返っていますよ。来年から来なくなるかもしれません。それまでの3日間というのはあくまでも序章なわけです。最大のクライマックスである最終日、本当の勝負が始まる前にやめるのですから、これほどファンをバカにした話はありません。わざわざ時間とカネを使って観戦に訪れたギャラリーにも失礼です。世界のゴルフとかけ離れた事態を、いつまでも放置していてはダメです」