竜にサヨナラ負けも 今成3年ぶり捕手起用“金本決断”の価値
同点で迎えた九回裏、球場の阪神ファンがざわめいた。表の攻撃で代打で出た今成亮太(28)がマスクをかぶったからだ。
1-2で迎えた九回2死一、三塁の好機に金本監督は、捕手の岡崎に代打福留を起用、同点に追いついた。梅野、岡崎の2人の登録捕手を使い切り、今成にお鉢が回ってきたのである。
捕手としての一軍出場は13年以来3年ぶり。2イニングを守った試合後の今成は「サヨナラ負けの責任を感じている」としながらも、「捕るのはスッといけた」と話した。
05年ドラフトで日本ハムに捕手として入団。12年の開幕直後に阪神に移籍し、捕手として36試合に出場したが、翌13年は外野、14年には三塁にコンバートされた。しかし、金本監督が就任して風向きが変わった。昨秋に捕手としての起用プランが浮上し、キャンプで捕手練習を行った。
今成には捕手へのこだわりがあった。内野手登録となった昨季も、首脳陣に捕手としての出場をアピールしていたほど。今成は12年にスタメンマスクをかぶった試合で2勝10敗と振るわず、リード面に不安があると、事実上の捕手失格だった。