復帰初日は5オーバー114位 石川遼に懸念される“腰の爆弾”
【日本プロ選手権】
復帰するのは、ちょっと早過ぎたのではないか。腰痛のため、主戦場の米ツアーを長期離脱中の石川遼(24)が5カ月ぶりに国内大会でプレーした。
しかし、初日は1バーディー、6ボギーの77で回り、首位とは13打差の114位と、予選通過も厳しいポジション。本調子でないのは明らかだ。
「フルスイングしても全く痛みはなかった。体はスムーズに動いてくれました。体に関してはいい方向にいっているなと思います」(石川)
この5カ月間は腰を支える筋肉を鍛えると同時に、腰への負担を軽減するため、スイング改造に取り組んだ。クラブを振れるようになるまで2カ月かかったそうだが、そんな状態でもう復帰して大丈夫なのか。
トレーナー資格を持つ戸軽明美LPGAティーチングプロが「腰はスイング軸を安定させ、飛ばすためのヘッドスピードをアップするうえでとても重要な役割を果たします」と前置きして、こう続ける。
「遼クンは決して体が大きいとはいえないうえ、体を目いっぱい使うスイングなので、腰への負担が大きかったのだと思います。しかも高校1年生のときにツアー優勝して、プロに転向しました。体が十分に出来上がる大人になる前に腰に相当な負担をかけていたと想像でき、体と技術のバランスがとれず、無理を重ねていたのかもしれません。40、50歳とある程度の年齢になってから腰にトラブルを抱えるならまだしも、24歳というのはちょっと早過ぎますね。プロが腰を痛めて、完治した話はほとんど聞いたことがない。腰への負担を軽くするスイングにした以上、以前のパフォーマンスは望めず、だましだましやっていくしかないのかもしれません」
フルスイングに痛みはないとはいえ、「ドライバーは林にいったり、広いフェアウエーを外した」(石川)とショットがブレたのも、スイングバランスが乱れている証しだ。米ツアー復帰を焦らず、じっくり体を治すことに専念したほうがよくないか。