5月から決意不変 63kg級金の川井梨紗子“次は打倒伊調”
直前の“吉田ショック”を吹き飛ばした。
日本時間19日早朝、リオ五輪のレスリング女子63キロ級決勝で金メダルを獲得した川井梨紗子(21)。勝利の瞬間、駆け寄ってきた栄和人チームリーダーを2度もマットに投げ飛ばし、恒例の肩車で喜びを爆発させた。このわずか20分前には吉田沙保里(33)が4連覇を逃して銀メダルに。会場に充満していた日本ファンのため息を一気に吹き飛ばしてみせた。
元レスリング選手の両親から教わった攻めの姿勢を貫き、試合後は「これが自分が教えてもらったレスリングです」と胸を張った。日体大時代に学生王者2冠の父と、1989年に53キロ級で世界選手権代表になった母を持つ。母娘2代の世界選手権代表は日本レスリング史上初。「(家族の中で)自分が一番強いですね」とニヤリとしたレスリング界のサラブレッドは母がコーチを務めるクラブで競技を始め、2人の妹もそれに続いた。
川井はもともと58キロ級。しかし、同じ階級には前日、女子史上初の4連覇を達成したばかりの“レジェンド”伊調馨(32)がいる。「馨さんから逃げたと思われるのが嫌」と階級転向を悩んだが、栄チームリーダーと仲間の説得で2階級アップ。リオまで増量に励んだ。