青木功やジャンボと大違い 男子ツアーは勝負師不在の時代
川奈ホテルで行われたフジサンケイは尾崎がその年で4勝目とコースを得意にしていた。だが飛ばし屋有利の川奈と違って、三菱ギャラン会場のゴールデンバレーGCは池やクリークだらけで攻めるポイントが限られる。尾崎のような飛ばせばいいというプレースタイルは通用しない。
だから、青木は暗に「コースマネジメントで勝負しようじゃないか」と即座に切り返して挑戦状を送ったのだ。
その三菱ギャランで青木は4日間通算1オーバーで優勝し、尾崎は通算4オーバー2位。青木は、してやったりだ。
大会3日目には上がり18番パー5でドライバーが池につかまった尾崎が、「(こんなコースを)造るアホウに、(プレー)やるアホウ。同じアホウなら刻まにゃ損々」と、青木のプレースタイルに対する当てつけを言ってひんしゅくを買った。それほど悔しかったのだ。
「AONに限らず、昔のプロは闘志むき出しで、たんかを切った。そして口に出したことはちゃんと実行して勝ってみせた。みんな天下を取るためにゴルフをしており勝負師だった。だからツアーが盛り上がったのです。ところが今の日本人プロは2位とか3位狙い。そこそこ稼げばいいというプロでは魅力も感じないでしょう」(前出の宮崎氏)
アジアナンバーワンを決める大会で日本人プロはカヤの外。昔を懐かしむファンは少なくなかったはずだ。