好スコア続出…バーディー量産コースが選手をダメにする
【東海クラシック】
終わってみればアンダーパーが1人もいなかった先週の「日本女子プロ選手権」とは打って変わり、好スコア続出だ。初日は成田美寿々(23)と全美貞(33)がバーディーを量産し、8アンダーでトップタイに並んだ。
成田は先週4日間で8バーディー(14ボギー)しか奪えなかったのに、今週はたった1日で9バーディー(1ボギー)だった。それだけコース設定が違うということだ。「せっかくタフな日本女子プロでいい経験を積んだのに、これではムダになってしまう」と、ゴルフジャーナリストの菅野徳雄氏がこう続ける。
「どんなスポーツでも世界レベルでなければマイナーでしかなく、人気は上がりません。タフな設定でプレーすれば、日本の女子プロもマネジメント能力や技術も上がり、いかにボギーをたたかないゴルフをすればいいか学ぶ。世界のレベルがどんどん上がっているというのに、バーディー量産設定で試合を行う日本はその流れに逆行している。ますます世界との差が開くばかりです。アンダーパーがたくさん出ればファンが喜ぶというのは、素人の考えです。ただコースを難しくすればいいといっているわけではありません。4年後の東京五輪を見据えて、世界と互角に戦える日本人選手を育てる必要がある。タフな設定でプレーしなければ、いつまで経っても世界に追いつけないのです」
先週の会場でヘトヘトになった選手は今週、コースがやさしく感じるはずだ。ただ毎週のようにバーディー量産設定コースで戦っていると、また女子プロのレベルは低下してしまう。そのサジ加減が日本女子プロゴルフ協会に求められているのだ。