稀勢は眼中なし? ライバル部屋に出稽古の白鵬は高安警戒
異例も異例だ。
12日に初日を迎える3月場所に備え、田子ノ浦部屋で連日汗を流している新横綱の稀勢の里(30)。そこに突如、現れたのが横綱白鵬(31)である。8日に出稽古に訪れると、稀勢の里と高安相手に稽古を行った。
これには見学のファンはおろか、報道陣も驚くことしきり。白鵬が田子ノ浦部屋に出稽古に来るのは、名称が「鳴戸部屋」だった11年以来、5年半ぶりだ。
当時は自身の連勝記録を止められるなど、稀勢の里相手に苦戦を強いられていた。最近も昨年の7月場所から3連敗。先場所は土俵際に追い詰めながら、残されて逆転負けを食らった。
白鵬自身は「高安とやりたかったから」と話していたというが、それは横綱なりの照れ隠し。本心では新横綱目当てだったのではないか。
ある親方は「いや、高安目当ては本当でしょう」と、こう続ける。
「白鵬は稀勢の里をナメている。これまでも散々、『宿命を持った人間が横綱になる。彼には何かが足りない』と言いたい放題。確かにここ数場所は負けが込んでいるので、強さそのものは認めているでしょう。しかし、欠点である重圧への弱さを克服できたかは別の話。昇進を決めた先場所は、本来綱とり場所ではなかった。横綱としてのプレッシャーに苦しむのはこれから。まずは『お手並み拝見』程度ではないか。それよりも、大関候補の関脇・高安の方が要警戒ですよ」