著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

今季ドイツ最年少主将 HSV酒井高徳が語るキャプテンシー

公開日: 更新日:

 独1部ハンブルガーSV(HSV)で昨年11月からキャプテンマークを任され、今季ブンデスリーガ最年少主将となったDF酒井高徳(25)。ドイツ人の母を持つハーフとはいえ、12年1月にドイツに渡った時はドイツ語を話せなかった男が、ドイツ人のチームメートに的確な指示を与え、威風堂々と鼓舞している姿は実に頼もしい。日本代表次期主将候補をドイツで直撃した。

 ◇  ◇  ◇

「僕ら日本人は、他の外国人選手よりも真面目にドイツ語の勉強をしているのに、いざとなると『アイツらはしゃべれない』で片付けられてしまう。(鹿島からスペイン2部テネリフェに移籍したMF)柴崎岳が適応できてない――というニュースを見ると『そんなハズない』と本当に悔しい。僕は日本人として、彼らの先入観を変えたいと思ってます」と酒井高は言った。

 こうした強靱なメンタリティーも評価され、今季途中にはギスドル監督から主将に任命された。

「監督が公式の場で『高徳は普段から練習など真摯に取り組み、彼が言葉を発すると他の選手が真剣に耳を傾ける。プロフェッショナルな姿勢を持ってる彼が、今のチームには必要なんだ』と言ってくれたのはうれしかったですね。ただ、僕は自分からキャプテンをやりたいと言ったことは一度もない。僕が思うに『自分が、自分が』と自己主張の強いヤツはキャプテンに向いていない。むしろ目立たず、黒子に徹することが大事でしょう」

 同じニュアンスの発言をGK川島永嗣(メス)もしていた。

 長谷部誠(フランクフルト)も自分から、前に前にと出ていくタイプではないがゆえに丸8年、日本代表主将を務めていられるのかも知れない。とはいえ長谷部も33歳。そろそろ後進にバトンタッチしてもいい。酒井高は後継者有力候補のひとりだろう。

「いずれ誰かがやらなきゃいけない。でも、個人的には代表キャプテンのことは頭の中にはないですね。僕には《代表での結果》が足りないからです。先発したUAE戦(16年9月)は負けてしまい、イラク戦(同10月)も自分がマークしていた選手に点を取られた。攻撃面でも、得点に直結する仕事ができてない。ちゃんとした結果が出るまで辛抱強くやっていかないといけない」

 再開されるW杯最終予選のUAE戦(23日)とタイ戦(28日)は挽回のチャンス。自慢のリーダーシップを存分に発揮して欲しい。

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