ベストスコアで肉薄2位 松山が発揮したメンタルの強さ
「ビッグスコアを出せれば、あきらめる位置ではない」
スタート前に松山英樹(25)がにらんだ通りの展開になった。
最終日は6アンダー14位タイ発進と、トップに立つB・ハーマン(30)とは6打差もあった。それでも“勝機がある”と強気発言が出たのは、メジャー大会は独特の重苦しい雰囲気が漂い、トップを走るプロにもじわじわと重圧がかかり、すんなり逃げ切りとはいかないからだ。
しかも今年はD・ジョンソン(32)、R・マキロイ(28)、J・デイ(29)の世界ランクトップ3がそろって予選落ち。優勝争いはメジャー未勝利のプロばかりだ。大会4日目になって最も強い風が吹いたのも試合の行方を混沌とさせ、世界ランク4位につける松山のプライドもあったはずだ。最終組から7組前にスタートし、先にスコアをぐんぐん伸ばして後続組にプレッシャーをかけた。
1番パー5は残り286ヤードをスプーンで2オンに成功すると、手堅く2パットのバーディー発進。2番は2メートルのバーディーチャンスを逃し、3番はつま先上がりからの2打目がダフってグリーンのだいぶ手前にあるバンカー土手のフェスキューの中に入るトラブルに見舞われる。しかし、そこから1.5メートルに寄せてパーセーブ。すると4番、5番の連続バーディーで一気にトップと3打差6位まで浮上した。