賭博問題から巨人は規律重視 “酒乱投手”山口俊はどうなる
■球団取締役は「コンプライアンスの鬼」
山口俊はこれからどうなるのか。周辺では「長期謹慎から涙の復帰会見の流れではないか」とみるムキがある。が、「そんなもので済むかどうか」とさるチーム関係者がこう言った。
「今回も示談に持ち込むべく、関係者が奔走するのは間違いない。ただ、親会社の読売と巨人の幹部が今、最も重視しているのはコンプライアンスです。巨人の選手が野球賭博という球界を巻き込む未曾有の不祥事を起こしたことで、チーム内に周知徹底されたはずだった。それだけに上層部は怒っている。実質、巨人を動かしているといわれる球団取締役の山口寿一・読売新聞グループ本社社長は別名『コンプライアンスの鬼』。先月、球団社長に就任したばかりの石井一夫氏も、コンプライアンスを徹底するために読売から送り込まれたともっぱらです。もし違反した場合は『厳罰も辞さず』が幹部の方針なのです。そもそも山口俊はこれまで1勝1敗の投手。戦力として3年総額7億円もの価値があるのか。疑問視する声も上がっています」
山口俊が抹消されたこの日、ドラフト2位ルーキー畠世周(23=近大)が先発。八回途中7安打2失点の好投でプロ初勝利を挙げた。ますます酒乱FA投手の存在意義は薄れるというものだ。
これだけの騒動を起こしておいて、「三顧の礼をもって迎えたFA選手だから」と生ぬるい処分でお茶を濁すようなら、球団の姿勢が疑われる。自由契約という事実上の「クビ」の可能性も十分ある。