ついに左足首手術も いまだ平幕止まり遠藤の遅すぎた決断
「現役中は手術はしない。引退したらする」
かねてこう話していた遠藤(26)が、とうとう腹をくくった。
追手風親方(元幕内大翔山)によれば、7月下旬に内視鏡手術で左足首の遊離軟骨を除去。遠藤は先場所、「左足関節靱帯損傷」で5日目から途中休場していた。
「治療しながら9月場所に向けて頑張ってほしい」
とは追手風親方だが、手術はあまりに遅すぎた、という声がほとんどだ。すべての発端は新入幕を果たした2013年9月場所にある。遠藤はザンバラ髪でデビューしたこの場所、あれよあれよという間にお茶の間の人気者に。しかし、終盤で左足を捻挫し、14日目から途中休場を余儀なくされた。さらに後日、左足の剥離骨折、アキレス腱炎まで発覚。その後はだましだまし、相撲を取っていたが、15年には左ヒザの半月板と十字靱帯損傷という重傷を負ってしまった。
ある古株の親方は「力士にありがちなパターンです」と、こう続ける。
「角界では『骨折より捻挫の方がやっかい』と言われている。骨折なら手術しかないと割り切れるが、捻挫の場合は『大したことがない』と甘く見て、無理をしてしまう。そうやってケガがケガを呼び、引退していった力士は数知れない。遠藤は人気力士だけに、親方も本人も『メスを入れて休場となったら……』と、手術に踏み切れなかったのではないか」
角界では「横綱大関は無理でも三役は務まる」といわれていた遠藤だが、いまだ平幕止まり。最初の捻挫の時に適切な処置をしていれば……と思わずにはいられない。