無所属3人は援軍にあらず 貴乃花派“勢力激減”の自業自得
貴乃花親方はこれまで、弟子の貴ノ岩も含めて協会の聴取をかたくなに拒んできた。それが理事会前日の19日になって急きょ、聴取に応じると言ってきた。第三者による公正な裁きを望んでいたというが、協会の聴取に応じたからといって、警察や検察の捜査がどうにかなるものではない。
これまで親方の中で、ただひとり拒んでいた誓約書も19日に提出。公益財団法人への移行に伴って力士の法的身分などを制定、協会と師匠が人材育成業務委託契約を結ぶことが明記されたものだ。それを、わざわざこのタイミングで提出したのは、理事としての義務や責任への追及から逃れるためだろう。
とどめは20日の理事会で配布された言い訳と責任逃れの弁明書だ。貴乃花親方はこの中で、自分は巡業部長としての職務をまっとう、批判されるいわれはないと主張している。
貴乃花親方の一連の変節は、このままでは理事職を失いかねないと危機感を覚えたからだ。協会は信用できない、改革のために断固闘うとの気概があれば、一貫して聴取に応じず、誓約書提出の要請を無視し続けることもできた。まして「自分は職務を果たしている」なんて弁明する必要などなかったはずだ。