悲願のメダルへ ジャンプ高梨に立ちはだかるドイツ勢の壁
金メダルが期待されながらまさかの4位に終わったソチ五輪から4年。高梨沙羅(21)が悲願の金メダルを目指す。
踏み切りで上体が浮き気味になる課題も冬季シーズン開幕時点で「しっかり修正できた」(高梨)。これまではさほどこだわっていなかったスキー板やブーツを特注するなど五輪に向けて抜かりはないが、今季はW杯開幕4大会で表彰台(3位)は2度と波に乗れていない。
スポーツライターの高野祐太氏が言う。
「昨季新鋭が台頭し、世界のレベルが上がってきた。マーレン・ルンビ(23=ノルウェー)は昨季、初勝利を含む4勝を挙げ、今季も2勝を挙げている。爆発力が魅力で、不安定だった技術がハイレベルで安定してきた。開幕戦で2位だったカタリナ・アルトハウス(21=ドイツ)も昨季初勝利を挙げ、今季は2勝、2位2回。一皮むけた彼女は、身長171センチのルンビや開幕戦3位のカリーナ・フォクト(25=ドイツ)とは違い、157センチと小柄。アプローチの速度が速く、踏み切りのタイミングも抜群です。同じドイツのフォクトはソチ五輪金で、世界選手権2連覇中と大舞台に強い。平昌五輪まで、まだ10大会以上ある。W杯個人総合優勝4回の高梨と昨季世界選手権銀の伊藤有希(23)にとっては、ドイツ勢2人が最大のライバルになる」