5カ国中4カ国が1次L勝ち抜け W杯南米の強さは技と頭にある
「決勝トーナメントに入ってからが本物のワールドカップである」とは、しばしば言われることである。1次リーグとは質の違う熱戦がすでに始まっている。
1次リーグを勝ち抜いた南米大陸代表は4カ国。大会の参加権を得たのが5カ国。5分の4は、ひとつも残れなかったアフリカ(5カ国)、日本のみのアジア(5カ国)は論外として、ヨーロッパの13国中9チームと比較しても突出した確率である。なぜ南米大陸代表は勝負強いのか。決勝トーナメント1回戦はその秘密を明らかにする試合でもあった。
まずはフランス―アルゼンチン戦――。
アルゼンチンは世界最高の選手、メッシを擁し、優勝候補の一角に挙げられていた。しかし、南米予選でモヤモヤとした試合を続け、5位以内に入ることが危ぶまれるようになった。最終戦でメッシがハットトリックを達成し、ギリギリ5位でW杯出場権を得たのだ。つまり瀬戸際のチームである。
そして、決勝トーナメント1回戦では、勢いのあるフランスに敗れた(エムバペは58年大会のペレのようであった!)。敗戦を惜しむよりも、あの低調なサッカーでここまで勝ち進んだ、しぶとさを評価すべきだろう。