著者のコラム一覧
田崎健太ノンフィクション作家

1968年、京都市生まれ。ノンフィクション作家。早大卒業後、小学館入社。「週刊ポスト」編集部などを経て、99年末に退社。著書に「W杯に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇 」(新潮文庫)、「偶然完全 勝新太郎伝」(講談社+α文庫)、「真説・長州力 1951-2018」(集英社文庫)、「電通とFIFA」(光文社新書)、「真説・佐山サトル」(集英社インターナショナル)、「ドラガイ」(カンゼン)、「全身芸人」(太田出版)など多数。

86年Vの成功体験 アルゼンチンを苦しめるマラドーナの呪縛

公開日: 更新日:

 1次リーグが後半に入っている。ここまでの“異変”の一つは、アルゼンチン代表の不振だ。初戦のアイスランドに1―1の引き分け、第2戦のクロアチア戦で0―3の惨敗――。27日午前3時(日本時間)から行われるナイジェリア戦の結果次第では、2002年大会以来の1次リーグ敗退もある。

 南米大陸でW杯優勝経験のあるアルゼンチンとブラジルには、成功体験という呪縛がある。

 ブラジルの場合、70年のW杯スウェーデン大会である。ペレ、ガリンシャ、ジャイルジーニョ、リベリーノといった攻撃的な選手を揃えて優勝。ブラジル人の愛する「フッチボウ・アルチ(芸術サッカー)」をW杯の場で披露したのだ。

 勝つだけでなく、美しく勝たなければならない。セレソンはこの「フッチボウ・アルチ」の呪縛に長く苦しんだ。その典型的な例が元日本代表監督のジーコ、ファルカン、ソクラテスら黄金のカルテットがいた82年大会である。ブラジルはパスをつなぐ、美しいサッカーを追求したが、優勝まで届かなかった。W杯のような短期決戦では、多彩な攻撃よりもまず守備を固めることが大切なのだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  2. 2

    大山悠輔逃し赤っ恥の巨人にOB評論家《良かった》 FA争奪戦まず1敗も…フラれたからこその大幸運

  3. 3

    悠仁さまの進学先に最適なのは東大ではなくやっぱり筑波大!キャンパス内の学生宿舎は安全性も高め

  4. 4

    過去最低視聴率は免れそうだが…NHK大河「光る君へ」はどこが失敗だったのか?

  5. 5

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  1. 6

    《次の朝ドラの方が楽しみ》朝ドラ「あんぱん」の豪華キャストで「おむすび」ますます苦境に…

  2. 7

    国民民主党・玉木代表まだまだ続く女難…連合・芳野友子会長にもケジメを迫られる

  3. 8

    「人は40%の力しか出していない」米軍特殊部隊“伝説の男”が説く人間のリミッターの外し方

  4. 9

    瀬戸大也は“ビョーキ”衰えず…不倫夫をかばい続けた馬淵優佳もとうとう離婚を決意

  5. 10

    迫るマイナ保険証切り替え…政府広報ゴリ押し大失敗であふれる不安、後を絶たない大混乱